教育プログラムの内容
油彩画などの西洋美術作品は勿論のこと、漆芸品や日本画などの東洋美術作品、そして文書史料類は、日本国内のみならず海外に多く収蔵され世界共通の遺産となっております。これらの文化財を後世に伝えていくためには、それぞれの科学調査と保存修復が欠かせません。特に、世界の漆芸品については、現在劣化が進行しているにもかかわらず、その科学調査も殆ど行われず、保存修復も進んでいません。専門の修復師は極少数で、修復技法を教育する場も皆無です。岡山県(本学の所在地で古代吉備国ー備前・備中・美作備後の国ー)は、古くは最高級の品質を誇った“備中漆”の生産地でしたが、漆芸品の修復技術者は育っていないのです。さらに、これまで保存科学の分野と保存修復の分野は別人格的に区分されてきましたが、これからは保存科学の知識を有する保存修復技能者が必要です。
本教育プログラムでは、本研究科の教育課程を基盤としてこれに次のプログラムを加えて取り組み、グローバルな文化財修復技能者を実践的に養成していきます。
- 本学外国人教員による外国語教育を本プログラムの基礎に組み込む。
- 新たに、海外の美術館にも数多く所蔵されている日本工芸品(特に漆芸品)の製作技法と先端的な分析装置による科学分析調査法および 修復技術を教授しながら研究指導を行うプログラムを加える。
- 保存科学の知識を有する保存修復技能者を養成するため、修復技術を教授するとともに新たに絵画等の文化財画像解析法を加えた文化財の保存科学を教授するプログラムを構築する。
- ヨーロッパや米国から文化財保存修復専門家を招聘し国際的視野を涵養するプログラムを実施する。
- ボストン美術館を初めとする院生の海外インターンシップ・プログラムを充実させ拡大する。
- 海外との共同研究に院生を積極的に参加させ国際的な実践プログラムを構築する。



