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文化財学部 文化財修復国際協力学科

大学の顔

"絵画の医師"を育てる地域の財産である美術品を良い状態で次世代に渡したい

大原 秀行(おおはら・ひでゆき)
社会学部
2004年から吉備国際大文化財修復国際協力学科教授、05年4月から同学科長。専門は近現代美術修復。デュッセルドルフ芸術大中退。鎌倉市出身。

 

「優れた美術館が集中する岡山で“絵画の医師”を育てることを使命と思っている」。近現代美術の修復、保存の国内第一人者。欧州で技術を学び、多彩な美術品を修復してきた経験を学生に伝えている。

「もの言わぬ絵画の気持ちを察して命を救う」仕事にあこがれ、二十四歳でドイツへ渡り、デュッセルドルフ市立美術館修復室の研修生に東洋人として初めて採用された。洋画、陶磁器、ガラスなどの修復技術を学び、同市立修復研究所で近現代美術担当の主任を務めた。十五年間の滞在で「美術品を地域の財産と考えて大切にする欧州の環境を肌で感じた」。

“無医村”に近い日本で働く責任を感じて帰国。神奈川県鎌倉市に工房を構え、大原美術館(倉敷市)の大作「万有は死に帰す、されど神の愛は万有をして蘇らしめん」(一九一八年、レオン・フレデリック)をはじめ、同美術館、成羽町美術館(高梁市)の児島虎次郎作品約百点などの修復を手掛けてきた。吉備国際大文化財総合研究センターでは児島の絵画技法の変遷をたどる共同研究も行っている。

学生には常々、「理論を知るだけでなく、手を動かすこと」を訴える。絵画所有者の承諾を得て実戦の場を多く設け、大原美術館では額縁修復を実習。「地元で多大なる緊張感を味わうチャンスをいただいている」という。

文化財修復国際協力学科には洋画修復のほか、日本画、書籍修復、非破壊分析などの専門分野がある。「学生は芸術品、文化財の宝庫である岡山の環境にどっぷりつかり、面白いと思ったことに自由に挑戦してほしい」と期待する。

(黒崎平雄)

山陽新聞掲載「大学の顔」編集記事を収録しています。

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